虫歯治療 Caries
■虫歯の原因は糖を材料に虫歯菌が作る「酸」
歯のエナメル質を形成する硬いハイドロキシアパタイト[Ca10(Po4)6(OH)2]は、通常、歯をとりまく唾液や歯垢などの環境がほぼ中性の状態で平衡状態を保っています。
ところが、飲食などで糖分をとると虫歯菌はその糖分から「酸(H+)」をつくるため、歯をとりまく唾液や歯垢の状態が酸性状態となり、pH5.5以下の酸性となると、歯は平衡状態を保つためにカルシウムやリン酸などの歯の成分が溶け出し、結果的にエナメル質が溶けてしまいます。それを脱灰といいます。
■フッ素は虫歯菌には歯が立ちません
唾液中の成分により歯をとりまく環境が中性になると、再度、カルシウムやリン酸などが歯に取り込まれることとなります。それを再石灰化といい、フッ素はこの再石灰化を推進する働きがあります。
お口の中では、この脱灰と再石灰化が繰り返し行われているのですが、虫歯菌が殺菌されずに残っていて、お口の中が酸性の状態で長く続くと、再石灰化する間もなく脱灰状態が続くため、結果的に元に戻らない虫歯になってしまうのです。
すなわち、フッ素でいくら歯質を強化しても、しょせん虫歯菌に感染して、酸を出され続けたら100%虫歯になってしまいます。
■甘いものを我慢してもあまり効果はありません
虫歯菌は人間が豊富な糖分を食べたとき、その糖分の一部を体の中に蓄え、人間がその後、甘いものを我慢して制限しても、体内に蓄えた糖分を利用して持続的に酸を出し続けることができる頭脳明晰な菌なのです。
裏を返せば、虫歯菌がいなければ甘いものをいくら食べても虫歯になることはありません。
■虫歯を治すためにはまず虫歯菌退治から
従って、虫歯を治すためには、まずは虫歯菌を殺菌したうえで、お口の中を常に清潔に保ち、お口の中を中性の状態にしておくことが必要なのです。
■食べ物や飲み物でも歯が溶ける
先述したとおり、虫歯は虫歯菌が糖分を分解して作る「酸」で、お口の中がpH5.5以下の酸性となり脱灰した結果なるのですが、それ以外に酸性の食品や飲料なども直接脱灰の原因となります。
つまり、虫歯菌がいなくても、それらを頻繁に取っていると、歯のエナメル質が確実に溶ける酸蝕症になってしまうのです。すなわち、お口の中にとってpHは非常に重要な要素なのです。
■虫歯菌は歯周病の原因のひとつ
虫歯菌と歯周病菌はまったく別の細菌なのですが、虫歯菌が作り出すネバネバした物質が、本来は歯に直接付着することが出来ない歯周病菌が歯に容易に付着できるようになるのです。従って、虫歯菌が増えると歯周病にもなりやすくなります。
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