インプラント

インプラントは選択肢の1つ

むし歯や事故などで歯を失ったときの治療法には「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント治療」といった治療法がありますが、最近はインプラント治療の注目度が高まっています。インプラント治療は、あごの骨に手術をして人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を被せることでしっかりと噛める歯を取り戻す治療法です。
しかし、どんな場合でもインプラントが一番良いというわけではなく、あくまで元あった歯のようにしっかり噛めるようになるための選択肢の一つにすぎないということを忘れてはいけません。
そのことを念頭に置きながら改めてインプラントの特徴を確認してみると、あごの骨に固定されるのでしっかり噛めること、そして他の歯を削ったりしなくてもいいということがメリットとして挙げられます。当院では、自分の歯をできる限り保ちながらしっかり噛めるようになることが治療のゴールだと考えているので、インプラント治療にメリットがある場合が多いのです。

当院のインプラント治療の特徴

豊富な知識と高い技術があるから立てられる綿密な治療計画

元の歯のようにしっかり噛めるということに治療のゴールを設定したとき、なにより大切になるのは一人ひとりの患者さんに合わせて綿密な治療計画を立てることです。
実はインプラントには何百と種類があり、太いものから細いものまで多種多様です。その中から患者さんの症例に合わせて信頼性の高いものを提供するため、当院で使うインプラントは世界的なシェアが高いメーカーを2~3社選び、臨床で成功例が続いているエビデンス(根拠)があるものを選んでいます。その人にとって最適な噛み合わせを実現できるように、私自身、毎年何度か海外の学会や研修コースに参加して勉強を続け、知識と技術を磨くように努めています。

インプラントのスペシャリストとしての想い

当院の院長は、Nobel Biocare社のインプラント公認インストラクターや、インプラント治療に関する研修会を行うチーム「I.O.R.」において講師を務めるなど、インプラント治療を他のドクターに指導する立場にあります。そしてもちろん自分自身もインプラント技術を日々勉強し続けています。
前線でインプラント治療に携わってきた経験から、インプラント治療を「どこでやっても同じ」「するなら安い方が良い」と安易に考えるのはおすすめいたしません。治療を受ける歯科医院や歯科医師はしっかり比較検討していただければ幸いです。

難易度の高い手術も可能にする歯科用CT

CTというと脳や内臓の様子を調べるときに登場する印象を持っている人が多いかもしれませんが、実はインプラント治療でも大変重要な活躍をしています。インプラント治療はあごの骨に穴を開け、そこにインプラントを埋め込むという大掛かりな外科手術を伴っているので安全性に特に注意を払う必要があります。また、正確にインプラントを埋め込むことは、インプラントをできるだけ長く快適に使っていただく上でも非常に重要です。ですから、手術を始める前から、精密に計画を立てておくことが治療を成功させるために欠かせません。
CTを使えばあごの骨の厚さ、歯の近くを走っている血管や神経の位置、さらには上あごにある上顎洞という空洞の位置まで立体的に把握することができるので、歯科医師の勘や経験だけに頼ることなく治療が進められます。そのため、当院のインプラント治療ではより精密なインプラント治療を提供するためにCTによる画像検査は必須といっても過言ではありません。

歯科用CTの特徴

  • 精密なシミュレーション

    3次元の歯科用CTは、2次元のレントゲンと違い、歯や顎骨の奥行や幅など、多くの情報を得ることができます。手術を始める前から立体的にシミュレーションを行って、より良い治療計画を立てていくことができます。

  • 被ばく量が少ない

    歯科用CTは、医科用CTに比べると被爆量が少ないのが特徴です。さらに、撮影にかかる時間も短いため、患者さんの負担が軽減されています。

  • 患者さんも理解しやすい

    モニターに映し出される立体画像を見ながら説明できるので、歯科医師も説明しやすいし、患者さんも理解しやすいということも治療の安心感につながる要素です。

X-Guide(Xガイド)を使った安全性の高い手術

顎の骨とインプラント体を結びつけるためには、正確な位置に穴をあける必要があります。少しでもその位置がズレてしまうと、骨と結合しなかったり、再治療になったりしてしまうからです。
X-Guide(Xガイド)は、インプラント体を正確な位置に埋め込むためのナビゲーションシステムです。従来のインプラント手術は、歯科医師の経験と技術に頼る部分が大きかったため、手術の精度や安全性に課題がありました。しかし、X-Guide(Xガイド)を使えば、ナビゲーションシステムが最適な埋入位置・角度・深さをリアルタイムで追跡して導いてくれます。
ただし、ナビゲーションシステムを使ってもmm単位の誤差は生じる可能性は0ではありません。そのため、ナビゲーションシステムなしでも手術できる技術は大前提として必要なのです。当院では、技術に絶対的な自信を持った上で、より安全性の高い手術を叶えるためにX-Guide(Xガイド)を取り入れています。

X-Guide(Xガイド)の特徴

  • 手術精度の向上

    事前シミュレーションした位置からズレが生じないよう、リアルタイムで立体的に追跡しながらガイドしてくれるので、精度の高い治療ができます。

  • 安全性の向上

    神経や血管の様子も把握できるので、偶発事故を起こすリスクを防ぐことが可能になります。

  • 患者さんの負担軽減

    手術時間を短縮するだけではなく、傷口も最小限で済むため、術後の痛みや腫れなどの症状も軽く抑えることができます。

10年保証

当院では第三者保証機関である、「ガイドデント社」によるインプラント治療の保証を設けております。インプラント治療後からの10年間を保証致します。ガイドデント認定歯科医療機関になるには、インプラント治療にとって重要な90以上におよぶ審査項目によって、一定水準以上の能力を有した歯科医院であることが必要であり、当院は認定医となっておりますので、患者さんには安心してインプラント治療を受けて頂けます。

※ただし、インプラント治療後に当院での定期的なメインテナンスを受けて頂くことが、保証の条件となりますので、ご注意ください。

インプラントと入れ歯やブリッジの違い

インプラント 入れ歯 ブリッジ
特徴 人工歯根を顎骨に埋め込む
自分の歯のような感覚・見た目
取り外しができる
手軽に治療ができる
左右の歯に被せて装着する
見た目 自分の歯のような美しさ 種類によっては固定するバネが気になる 自然な見た目に仕上がりやすい
噛みやすさ しっかりと噛める 安定しないことが多い 比較的安定した噛み心地
健康な歯への負担 他の歯への負担は少ない 固定するためにバネをかける歯に大きな負担がかかる 健康な歯を大きく削る必要がある
治療期間 外科手術を伴うため、長期である 比較的短期間で治療が完了する 比較的短期間で治療が完了する
保険 自費 保険適用/自費 保険適用/自費

インプラントの安全性について

  • 身体と親和性の高い素材

    インプラントの多くはチタン製です。チタンには、金属でありながら生体への親和性が高く、金属アレルギーのリスクが少ないという特徴があります。骨とも結合しやすいため、インプラントの安定に効果的です。

  • インプラントの寿命

    インプラントの平均寿命は、10~15年と言われています。日々のセルフケアや歯科医院での定期的なケアを続けると、30年以上使用することも可能ですが、長時間の使用には個人差があります。

  • 手術について

    インプラント手術は、抜歯と同じ程度の内容です。ただし、出血が伴うためリスクがない訳ではありません。治療前には入念な精密検査を行い、体全体の状態なども考慮しながら治療を進めます。糖尿病や高血圧などの全身疾患をお持ちの方、妊婦の方、喫煙者の方にはリスクが伴うケースもあるため、治療前には事前説明を行います。

  • 他の歯への影響

    入れ歯やブリッジとは異なり、インプラントは引っ掛けて固定させる必要がありません。周囲の歯にかかる負担が少なく、良好な歯の状態を維持しやすいのが特徴です。

インプラント治療の流れ

  1. Flow01問診、口腔内チェック

    最初に行うのは患者さんとのカウンセリングです。インプラント治療が必要になる経緯は患者さんそれぞれですから、インプラント治療を受けるに当たって治療ができるかどうか、またどのような治療方法が最適なのかなど、時間をかけて決めていく必要があります。
    インプラント治療をベストな状態で行うため、むし歯や歯周病があれば事前に治療を済ませておきます。治療のゴールは元のようにしっかり噛める歯を取り戻すことですから、噛み合わせの状態も入念に確認し、将来を見据えた長期的な治療計画を立てていきます。

  2. Flow02術前チェック、CT撮影

    インプラントをあごの骨に埋め込む手術では、インプラントを配置する位置や角度の正確さが求められ、治療の成功を左右します。そこで、当院ではCTで骨の立体的な形状を撮影し、緻密なシミュレーションを行うことでより良い治療の提供を心がけています。また、むし歯や歯周病の有無、インプラント治療に影響を与える可能性のある持病などを総点検し、治療の準備を進めていきます。

  3. Flow03オペ開始

    インプラントの手術は2回に分けて行われ、1回目の手術であごの骨にインプラントを埋め込みます。
    歯肉を切開し、あごの骨を露出させ、ドリルで穴を開けます。その穴にインプラントを埋め込んでいったん歯肉を縫合し、インプラントがあごの骨と結合するのを待ちます。切開から手術完了までは15分ほどで終了します。ただし、不良肉芽といって膿のようなものがある場合や、骨が少なく自家骨移植が必要な場合には1時間~1時間半程度の時間がかかります。手術で埋め込んだインプラントは、通常2~3ヶ月ほどであごの骨と結合し固定されます。

  4. Flow042次手術

    1回目の手術で埋め込んだインプラントが骨と結合したことを確認したら、いよいよ人工歯を取り付けるための治療に進みます。
    まず歯肉を切開する手術を行い、歯肉に埋まっているインプラントの頭を再び露出させます。次に型を取り、それをもとにインプラントの目に見える人工歯の部分を作製します。人工歯の作製には通常1~2週間かかるため、その間は仮歯を装着し過ごしていただきます。本歯が完成したらインプラントに装着してみて噛み合わせを微調整する最終調整を行い、インプラント治療はひと段落です。

  5. Flow05仮歯装着

    2次手術後、最終的な歯を装着するまでの間は必要に応じて仮歯を付けていただきます。仮歯を装着した状態で使用感・噛み合わせ・強度・発音などを確認し、最終的な歯を製作する前のデータを集めます。

  6. Flow06最終的な歯の装着

    仮歯で集めたデータを基に形・色味・噛み合わせを調整し、最終的な歯の作製に移ります。作製後、歯を本接着して治療は完了です。

  7. Flow07メインテナンス

    術後は、インプラントを長持ちさせるために3ヶ月~半年に1度通院しメインテナンスを行います。インプラント自体は腐食もなく耐久性に優れていますが、それを支える歯肉が病気になるとインプラントが脱落してしまうおそれもあります。メインテナンスではクリーニングと噛み合わせの調整、人工歯の修復を行います。
    さらに、丁寧な歯みがきや禁煙など、患者さん自信がセルフケアを心がけていただくこともインプラントを長持ちさせるためには大切なことです。

インプラントの治療期間・治療回数・治療費

治療期間 治療回数 治療費(税込み)
インプラント手術 約3か月 7~10回 390,500円
上部構造 110,000円

インプラントの注意事項

  • 保険外診療のため、治療費用が高くなる場合があります。
  • 外科手術が必要になるため、患者さんに体力的な負担がかかります。
  • 段階的に治療を進めていくため、治療期間が長くなります。
  • 術後に痛み・腫れ・出血・合併症を伴う可能性があります。
  • 術後も定期的なメインテナンスをしないと、機能が落ちやすくなります。
  • 処置した個所に食べ物が詰まりやすくなります。
  • 骨の状況によって、別途処置費用がかかる場合があります。

インプラント治療のよくある質問

Q
治療期間はどのくらいになりますか?
A
インプラント部位のみと捉えると、約3ヶ月です。しかし、お口の中の状態はお一人お一人異なりますので、一概に期間をお伝えするのは難しいです。その為まずは、お口の中を診察し、状態のご説明と共に期間についてもきちんとご説明いたします。
Q
費用が高いのですが、分割払いはできますか?
A
もちろん可能です。お支払方法につきまして、分割払いの他にカードローンなどの様々なお支払方法もございます。お気軽にご相談ください。
Q
金属アレルギーなのですが、インプラントはできますか?
A
インプラントで使用される金属は純度99.9%以上のチタンが用いられます。チタンは空気に触れると表面に酸化チタンの膜ができるため、金属イオンが溶け出さないと言われています。つまり、インプラント治療では、比較的金属アレルギーを引き起こしにくいと思われます。
Q
喫煙しているのですが影響はありますか?
A
喫煙は様々な悪影響を全身に及ぼしますが、インプラントも例外ではありません。喫煙は、インプラント手術後の歯ぐきの治りを遅くしたり、インプラントを支える歯ぐきの抵抗力を弱らせる可能性があります。インプラント治療を成功させるためには、できれば生涯にわたっての禁煙をおすすめいたします。
Q
アフターケアは必要ですか?
A
もちろん必要です。治療終了時の状態を維持するには、日々のお手入れはもちろん、3~6ヶ月に1度の定期検診が必要となります。

他院でインプラントを断られた方へ

インプラント治療における駆け込み寺的存在として

インプラント治療はお口の状態や全身の状態によっては、手術を断られるケースもあります。 それはインプラント治療が歯科医師の知識・技術・経験が特に色濃く反映される治療であるためです。ある歯科医師が「治療は不可能」と診断した場合でも、別の歯科医師に相談すれば「治療は可能」となる場合もあります。
当院では、そのように他院で断られた患者さんや、他院で手術をして不具合のある患者さんの「駆け込み寺的な存在」になりたいと考えています。インプラント治療でお困りの方は、まずは当院までお気軽にご相談下さい。